女性ならではの目線と感性を食ビジネスに
食の仕事にかかわるようになったのは24歳のときです。何年かOLをした後、家業を継ぐべく食品製造卸問屋「カネマサ松本商店」に入社しました。カネマサ松本商店は、削り節の製造卸のほか、海苔や昆布など和食食材を中心に食品卸をしておりまして、父が創業して来年で50周年を迎えます。お客様のほとんどは、飲食店やホテルなどの外食・中食産業です。
実家を継いだ当時は、ちょうどバブルが終わる頃。「お客様に選ばれる会社になるためには、ただ商品を売るのでなく、食のプロであるお客様に向けて付加価値をつけることが大切。提案型の会社にならなければ、他社との価格競争に巻き込まれ、生き残れない」という危機感もありました。女性が会社をやっていく以上、会社を伸ばすためにも女性ならではの目線や感性を生かした会社にしたいと、いわゆる他社との差別化を意識したんですね。こう思うようになったのは、父が職人気質タイプだったということもあります。
それで、商品を売るときメニューを提案したり、かつお節問屋ならではのおいしいダシのとり方をお教えしたり、ソフト面でのサービスの仕組みづくりを始めました。そのうち、そうした取り組みが口コミで評判になり、お客様からアドバイスを求められ、当初「付加価値」と思っていた提案部分への依頼が多くなったことで、フードコンサルティング部門をつくり、2005年に「株式会社 BigWill ビッグウィル」を立ち上げました。
食のプロとなるためには勉強もしました。会社が終わった後、調理の勉強のために飲食店に修業に行ったり、栄養や食のビジネスのスキルアップのために東京の学校に通ったり。技術や知識はもちろんですが、お客様の立場になって考えられるようになるための勉強をしました。
実家を継いだ当時は、ちょうどバブルが終わる頃。「お客様に選ばれる会社になるためには、ただ商品を売るのでなく、食のプロであるお客様に向けて付加価値をつけることが大切。提案型の会社にならなければ、他社との価格競争に巻き込まれ、生き残れない」という危機感もありました。女性が会社をやっていく以上、会社を伸ばすためにも女性ならではの目線や感性を生かした会社にしたいと、いわゆる他社との差別化を意識したんですね。こう思うようになったのは、父が職人気質タイプだったということもあります。
それで、商品を売るときメニューを提案したり、かつお節問屋ならではのおいしいダシのとり方をお教えしたり、ソフト面でのサービスの仕組みづくりを始めました。そのうち、そうした取り組みが口コミで評判になり、お客様からアドバイスを求められ、当初「付加価値」と思っていた提案部分への依頼が多くなったことで、フードコンサルティング部門をつくり、2005年に「株式会社 BigWill ビッグウィル」を立ち上げました。
食のプロとなるためには勉強もしました。会社が終わった後、調理の勉強のために飲食店に修業に行ったり、栄養や食のビジネスのスキルアップのために東京の学校に通ったり。技術や知識はもちろんですが、お客様の立場になって考えられるようになるための勉強をしました。
いい店づくりは人材育成から
フードプロデューサーとしての仕事には、コンサルタント業務があります。「こうした方がいい」と口だけで指導していくのではなく、現場に入り込んで、スタッフの方々とともに変えていくのが私のスタイルです。現場主義といういか、働く人たちの立場に立って、どうすればいい店になるかを一緒に考え、問題点を解決していきます。お客様に対するホスピタリティの大切さを身体で感じてもらい、おもてなしの心、思いやりの大切さを、必ずプラスしながらコンサルしていきます。メニューや商品を提案する場合も、お客様が喜んでいただけるためのオペレーション指導まできちんと行う必要があります。
この仕事を始めた最初の頃、自分より年上の熟練の料理人さんたちに「お前ごときが」と言われたこともあります。でも最終的にはその方たちに「ありがとな」って言っていただいたんです。それが自分の支えにもなっていて、現在に続いているわけですね。もちろん、そう言っていただくために、常にスキルアップのための勉強もしてきました。
一見華やかに見える仕事ですが、肉体的にも精神的にも厳しさはあります。現場に入るのはお店が終わってからのこともありますから、仕事が終わるのが深夜に及ぶこともありました。1つの現場が終わると精魂尽き果てますね。もっと楽にやる方法ってあるかもしれないのですが、これが自分のやり方なので。
この仕事を始めた最初の頃、自分より年上の熟練の料理人さんたちに「お前ごときが」と言われたこともあります。でも最終的にはその方たちに「ありがとな」って言っていただいたんです。それが自分の支えにもなっていて、現在に続いているわけですね。もちろん、そう言っていただくために、常にスキルアップのための勉強もしてきました。
一見華やかに見える仕事ですが、肉体的にも精神的にも厳しさはあります。現場に入るのはお店が終わってからのこともありますから、仕事が終わるのが深夜に及ぶこともありました。1つの現場が終わると精魂尽き果てますね。もっと楽にやる方法ってあるかもしれないのですが、これが自分のやり方なので。
「食の宝庫」静岡の素晴らしさを伝えたい
家業が削り節の会社だからというわけではありませんが、カツオ節でダシをとる食文化というのは本当にすごいと思います。ダシと一緒に煮込むことで、いろんな素材のうまみ、素材の味をいっそう引き立てるわけです。まさに相乗効果ですね。こういう素材の活かし方を伝統にもつ日本人はすごいなと、つくづく思います。
削り節っていうのは、カツオだけでなく、サバやイワシ、ムロアジとかいろいろな種類があって、削る厚さひとつでも味が違うんです。魚が獲れた時期によっても、煮出す時間によっても、全然違うダシになります。本当に奥が深い。
静岡というのは、食という点で本当に恵まれた場所で、よく考えてみると私たち静岡人は、とても幸せな県民なんです。海があって山がある。魚も肉も野菜も豊富にとれておいしい。
今、静岡のケーブルテレビで「ウキウキッチン」という料理番組をもっていまして、静岡の特産品を使った料理をご紹介しています。そこで紹介される食材を使うたびに、「静岡って本当に食材が豊かなんだな」って思います。いろんな特産品あふれる食材の宝箱のような場所なんですね。
静岡の食の豊かさをより多くの方に知っていただくために、静岡食材を活かしたメニューや商品開発には、今後も力を入れていきたいですね。同時に、旬のものを食することが健康な身体をつくるということも広めていきたい。あらゆる食材が、日本全国いつでも食べられる時代だからこそです。あとは、例えばある農家さんが、ちょっと珍しい野菜を作ってみたけれど、どこで販売していいかわからないと困っているとします。一方で、「こんな野菜があれば是非使ってみたい」というニーズがレストランなどにはある。そういう人たちをマッチングさせるようなつなぎ役ができればいいなと思っています。
削り節っていうのは、カツオだけでなく、サバやイワシ、ムロアジとかいろいろな種類があって、削る厚さひとつでも味が違うんです。魚が獲れた時期によっても、煮出す時間によっても、全然違うダシになります。本当に奥が深い。
静岡というのは、食という点で本当に恵まれた場所で、よく考えてみると私たち静岡人は、とても幸せな県民なんです。海があって山がある。魚も肉も野菜も豊富にとれておいしい。
今、静岡のケーブルテレビで「ウキウキッチン」という料理番組をもっていまして、静岡の特産品を使った料理をご紹介しています。そこで紹介される食材を使うたびに、「静岡って本当に食材が豊かなんだな」って思います。いろんな特産品あふれる食材の宝箱のような場所なんですね。
静岡の食の豊かさをより多くの方に知っていただくために、静岡食材を活かしたメニューや商品開発には、今後も力を入れていきたいですね。同時に、旬のものを食することが健康な身体をつくるということも広めていきたい。あらゆる食材が、日本全国いつでも食べられる時代だからこそです。あとは、例えばある農家さんが、ちょっと珍しい野菜を作ってみたけれど、どこで販売していいかわからないと困っているとします。一方で、「こんな野菜があれば是非使ってみたい」というニーズがレストランなどにはある。そういう人たちをマッチングさせるようなつなぎ役ができればいいなと思っています。
取材日:2010.08