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本サイトは、平成22年・23年の作成当時の内容です。

メッセージ
男女共同参画社会の実現に向けて

上島清介(うえしま・せいすけ)

上島清介(うえしま・せいすけ)


しずおか男女共同参画推進会議 会長
社会福祉法人静岡県社会福祉協議会 会長


- WEBサイト -

しずおか男女共同参画推進会議
社会福祉法人静岡県社会福祉協議会

しずおか男女共同参画推進会議の会長として

「しずおか男女共同参画推進会議」は、県男女共同参画基本計画が策定された年の平成15年8月に民間主導の初のネットワーク組織として設立し、現在、県域で活動する77団体が加入しています。会では男女共同参画社会づくりに関し、家庭、地域、学校、職場など社会のあらゆる分野の皆さんとの情報、意見交換会などを通じて、各傘下の団体による自主的な取組を積極的に推進しています。平成19年から私が会長を務めており、静岡県知事には、名誉会長を務めていただいています。
 活動内容としては、毎年2回程度、加入団体の事務局長クラスの方を対象とする部会と代表者クラスの方を対象とする全体会議を開催しています。加入団体による独自の取組を支援することが推進会議の役割と考えており、県内の様々な団体の優れた取組事例の紹介や、県内外の男女共同参画に関する情報提供を行っています。
 その成果として、女性リーダーの研修を行い女性役員の拡大を図っている団体や、県の男女共同参画社会づくり宣言を傘下の団体に呼びかけ、全ての会員が登録するなどの取組が出てきています。

参加団体に期待していること

 平成21年に行われた男女共同参画に関する県民意識調査(実施主体:県)によると、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に反対だという人の割合が、58.5%となっており、この数値は年々高まっていく傾向にあります。この結果からも、会としてその一役を果たしていると実感しておりますので、今後も男女共同参画社会に対する認識を一層深めるために、広報・啓発活動を継続的に展開していきたいと思います。それとともに、地域の様々な課題の解決に向け、男女共同参画の視点を取り入れた実践的な活動を行っていく必要があるでしょう。
 県で策定された第2次男女共同参画基本計画では、政策や方針の決定の場へ女性の参画拡大を図ること、男女双方にとってのワーク・ライフ・バランスを進めること、男女共同参画の視点から地域力の強化を図ること、貧困など生活上の様々な困難に対する解決に取り組むことなどが重点に掲げられています。
 地域においては、コミュニティの意思決定・政策決定への女性の参画拡大や、男女が共に担う地域活動により、誰もが居場所と出番がある地域社会の形成につなげていくことが求められており、また、企業においては、男女が共にワーク・ライフ・バランスを図りながら働くことは、従業員の意欲を高め、生産性の向上につながると思います。
 そうした視点も踏まえて、加入団体には、目標値を設定するなどして、女性の積極的登用を図るとともに、ワーク・ライフ・バランスをより一層推進するなど、それぞれの分野で、男女共同参画に取り組んでいただきたいと考えています。

福祉分野での男女共同参画の課題と取り組み

 社会福祉協議会(社協)では、地域福祉の推進を目的として、様々な事業を展開しています。総じて言えば、福祉分野では女性が主体となって活躍していますが、その職業や活動が社会的な地位を確立しているとまでは言えず、様々な課題が存在しています。
 具体的には、福祉・介護職の職員の約8割は女性ですが、他職種と比べて離職率が高く、雇用状況をみても非正規従業者が多いのが現状です。全国の介護職の離職率は17.0%ですが、静岡県では19.5%となっています。全産業の全国平均離職率の14.6%と比較すると、県の介護職の離職率の高さが際立っていることがわかります。
 県社協としては、社会的な状況を鑑み、職員の定着や福祉サービスの質の向上を図るため、福祉・介護職の人材確保・養成を目的とした社会福祉人材センターを設置し、無料職業紹介や各種研修事業を実施しています。
 また、地域福祉活動の中心となるボランティア活動者をみると、7割が女性となっています。しかし、東日本大震災での復興ボランティア活動者をみると男性が多く活動に参加していることから、平時の活動に男性をどう巻き込むかも課題となっています。
 県社協及び市町社協では、ボランティアセンターを設置し、ボランティア活動をしている方々への支援をしていますが、今後は、男性も参加できる「本業を活かしたボランティア活動」など、日常生活の中でできる活動の開拓に力を入れていきたいと思っています。
 地域における豊かな生活の継続に向けて、性別年齢問わず、住民が主体となった活動を進めていくためには、人が人を「認め合う」「支え合う」といった県民共通の認識が必要であり、今後は一層福祉意識の啓発が重要になると考えています。このため、県社協としては、県と連携して、毎年10月20日の「県民福祉の日」を中心に、官民一体となった啓発活動を展開しています。

男女共同参画を推進し、「より豊かな生活」を

 私は、男女共同参画社会が進展すれば、さまざまな社会的課題を解決することができると考えます。たとえば、子育てや介護のみならず、非正規従業者が多い母子世帯などの貧困問題の解決に繋がると思います。この実現には、県民1人ひとりが、主体的に男女の特性を理解し合い、得手、不得手を補い合うことが求められますが、行政だけでなく、県民に身近なところで様々な団体が意識啓発を行う必要があると思います。
 企業経営においても男女共同参画の視点は必要です。男性、女性、それぞれの個性や才能を見出し、その才能を発揮できるようにするために、きめ細かく配慮した組織運営が重要であると考えます。このことは、企業経営のみならず、地域社会についても言えることです。誰もが自分の役割をもち、個々人の才能を発揮することで、より住みやすい地域社会が構築されるのです。私はこのような、男女共同参画の推進があってこそ、企業や地域が成長し続けると考えています。
 わが国では、少子高齢化、人口減少、経済の低迷など様々な要因により、これまでのような「物的な豊かさ」を享受することが難しくなる一方で、「より豊かな生活」が求められるようになってきています。それは、仕事、家庭、健康などの充実はもとより、ボランティア活動など、他者のために行う活動で「幸せ」を感じることができる生活のことであり、社会にはそのためのステージを用意することが必要とされてきているのではないでしょうか。この「より豊かな生活」を実現するためにも、互いを認め合うことを基本とした男女共同参画の推進が重要なものとなっていくと私は考えています。

取材日:2011.8