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本サイトは、平成22年・23年の作成当時の内容です。

野菜作りやニホンミツバチの養蜂に自ら取り組み、
体も心も「美しく生きる」暮らし方をHPで発信。

REIKO

REIKO



菊間農園 東京事務所代表


- WEBサイト -

伊豆美人スタイル

東京暮らしの中で自家農園の恵みに再注目

 菊間農園は、私と両親、夫、妹の家族5人で運営している小さな農園です。これまでミカン畑やブドウ畑だった土地の一部を利用し、四季折々の野菜や果物、花の栽培を行っています。また、菌床とは違い手間をかけて作る原木栽培のシイタケや、ニホンミツバチの蜂蜜をつくっていることも特徴です。収穫したものは、家族でいただくほか、ホームページで販売したり、ファーマーズマーケットや地元のレストランに卸したり。お分けできる量には限りがありますが、季節ごとの野菜や1年に一度収穫する蜂蜜を、毎年楽しみにしてくださっているお客様のためにお譲りしています。
 私は現在、東京で暮らしていて、東京と農園のある伊東を月に1、2回往復する生活をしているんです。以前は、実家に戻ったときに農園の作業を手伝うことはありましたが、生活はあくまで東京での仕事が中心でした。ですが、結婚や退職をしたこともあり、心身のバランスがとれる伊豆での生活をあらためて意識することになったんです。
 東京では、会員制のフィットネスクラブで3年、大手企業のゲストハウスで10年間勤務しました。そこで得た知識や経験は、いずれも今のライフスタイルに生かされている部分があると思いますね。フィットネスクラブは、お客様に対しトレーナーがマンツーマンでつくシステムで、今活躍しているパーソナルトレーナーやヘルスケアトレーナーの先駆けとなるような業務を行っていました。とはいえ、長く水泳をやっていたことから就いた職業で、最初は人体に関する知識などはなかったんです。そこで、運動生理学や機能解剖学、栄養学、運動処方などの研修を受け、運動と体と心のメカニズムを学びました。そのときに健康とは、体を鍛えるだけでなく、栄養のバランスや心の休息が必要だということを実感しましたね。
 ゲストハウスでは、サービススタッフとして勤務しました。企業にとって大事なお客様をお招きする席で、食事のサービスなどを担当していたんです。そこでは日本の経済成長を支えたリーダー的な存在の方々と接する機会に恵まれ、社会に伝えることの大切さを知りました。一流の料理人の仕事ぶりを間近で見て、料理やワインに関する専門的な知識を得ることもできましたし、季節の機微を表現する方法も知りました。
 仕事を通して、人への心づかい、やさしさ、察する力の大切さを学んだ一方で、不規則な勤務が続いたことで、心と体のバランスや食生活の大切さを再認識することになりました。また、伊東での四季折々の生活の魅力にもあらためて気づきましたね。そして、それが伊豆での生活を紹介するホームページ「伊豆美人スタイル」を開設するきっかけになったんです。

ニホンミツバチの養蜂や農園野菜のレシピを発信

「伊豆美人スタイル」では、私たちの伊豆での暮らしを紹介し、スローライフや食、生活自体の豊かさについて提案しています。具体的な内容は、ニホンミツバチの養蜂に関すること、菊間農園で採れた野菜を使ったレシピ、母が仲間と手作りしているつるし雛の紹介などですね。
 ニホンミツバチの養蜂は、6、7年前に父が知り合いの方に紹介いただいた大学の先生にニホンミツバチの飼育の話を聞いて始めたんです。年4、5回採蜜できるセイヨウミツバチと比べ、ニホンミツバチは年1度しか蜜を採取できないため、市場ではあまり流通しておらず、希少な蜂蜜と言われています。でも、ニホンミツバチは巣が気に入らないと集団逃避行(笑)してしまうし、蛾の幼虫がつかないように巣箱の掃除は欠かせないし、天敵のスズメバチも撃退しなきゃならない。お世話が大変なんです。それでも、野菜や果物の花の蜜がブレンドされたニホンミツバチの“百花蜜”は濃厚でまろやかで、本当においしいんですよ。長い時間をかけて熟成されるのも特徴で、熟成の度合いによって味の変化が楽しめるのも魅力です。秋の採蜜のとき、ぎっしりとつまった蜜を見ると思わず感動してしまいますね。
 2009年と2010年には、お声掛けいただいて、東京ミッドタウンで開催された「ミッドマーケット」に参加しました。全国から30ほどの農家が出店しており、そこで私たちの蜂蜜を紹介させていただいたんです。最初はスプーン一杯の試食でおいしさが伝わるかどうか不安だったのですが、予想以上に評判がよく、皆さんにおいしいと言っていただけました。普段から蜂蜜を食べ慣れている方や外国人の方、味に正直な子どもたちも何度も食べにきてくれて。こだわってつくったものを分かってくれる人がいると気づけたことは本当によかった。皆さんが笑顔になってくれたのもうれしかったですね。
 地産地消の野菜レシピは、畑で収穫したソラマメを使った豆板醤や、こんにゃく芋から作る手作りこんにゃく、華やかなパーティメニューまで。盛り付けや器にも気を配って、見るだけでも楽しめるように工夫しています。我が家では、味噌も自家製でしたし、農園で採れた野菜がいつも食卓に上っていたんです。そんな生活を、主人はなかなかない機会だと言ってくれていますし、農園の作業にも積極的に参加してくれています。

HPを通して誰でも心身ともに豊かになれる提案を

 ホームページを作って分かったことは、私たちが伝えようとしているものをしっかりと見て、理解してくれる人がいるということ。それがミッドマーケットでの蜂蜜の紹介にも繋がりましたし、つるし雛も決して安い買い物ではないけれど、1点ずつ写真で細かく紹介することでよさが伝わり、お求めいただいています。今後も、バランスのとれたライフスタイルや伊豆の文化、環境について発信を続けていきたいと考えています。
 私は、今後日本人の食生活は必ず変わっていくと思うんです。今は簡単さや便利さが重視されていますが、一方で安全性にこだわったレストランなどが注目されていますよね。これからは、家庭の中でも質の高い食材や、そういうものに囲まれた生活が求められるようになると思います。私自身が心身とも「美しく生きる」ことをテーマとしているので、質の高さとは何か、心の豊かさとは何かということを考えながら、無理をせずできる範囲のことを発信していけたらなと思いますね。たとえば、畑に咲く花を家に生けたり、スズメウリでリースを作ったり、ちょっとしたひと手間で生活が豊かになります。誰でもそんな豊かさを持てるような提案ができればいいですね。
 今後やりたいことは、菊間農園の野菜を使った料理の教室を開くこと。また、伊豆での生活とヘルスケアトレーナーの経験を生かして、食事と体の両面からアプローチしたケアを行う活動もしたいですね。今は東京で暮らしているけれど、将来的には伊東に戻りたいな、とも考えているんですよ。

取材日:2011.2



静岡県伊東市生まれ  東京都在住


【 略 歴 】

1994 東京・広尾にある会員制フィットネスクラブにてヘルストレーナーとして勤務
1997 都内にある大手企業のゲストハウスにてサービススタッフとして勤務
2007 伊豆での生活をまとめたHP「伊豆美人スタイル」を開設
野菜やニホンミツバチの蜂蜜、つるし雛の販売を始める

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