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本サイトは、平成22年・23年の作成当時の内容です。

静岡の大学生は考え、発信する。
「このまちで今、学生に何ができるだろう」と。

服部由実(はっとり・ゆみ)

服部由実(はっとり・ゆみ)



「静岡時代」編集部 学生代表


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静岡時代

企画から配布まで学生が運営

「静岡時代」は、静岡県内の大学生で作るフリーペーパーです。編集部員は現在15人。静岡大、県立大、文化芸術大、常葉、英和大学から集まっています。毎号さまざまなテーマで取材、執筆をし、配布作業まで全部自分たちでやります。今年で創刊5年目を迎え、大学生の間ではかなり認知されるようになってきました。新刊を配布するときに「待ってたよ」と声をかけてもらったりするとうれしいですね。
 私が編集部に入ったのは県立大学2年の時。1年生のころから知ってはいましたが、その時は編集に携わろうという考えはまだありませんでした。でも1年生のとき「大学4年間、意識して何かしないと無駄に過ぎてしまう時間だな」と感じたんです。もともと文章を書くのが好きだったこともあり、また、各大学から人が集まってきているなら、自分自身にも刺激があるんじゃないか、そう思って編集部に入りました。
 企画から配布まですべて自分たちだけでやるのは大変ですし、締切前には徹夜作業になることもありますが、その分、出来上がったときの達成感・満足感はひとしおです。

取材の面白さ、自らのスタイルを貫くこと

 メンバー15人、それぞれ面白いと感じるところは違うと思いますが、私がこの制作で一番魅力を感じるのは、取材を通して普段会えない人に会えることですね。
 静岡時代は毎号テーマによって編集長が変わるのが特徴で、私が編集長を担当した「アート」特集では、県立美術館や静岡市美術館、芸術関係の方々にお会いして話をうかがいました。私は、このときのテーマを「アートが、わかりません」にしたくらい、芸術についてはほとんど何も知らなくて、取材では話についていくのに必死でしたが、だからこそ、静岡にもこんなことを考える人がいるんだ、と新鮮な気持ちでした。
 静岡時代を知っていただくにつれ、一般の企業や社会人の方々といっしょにイベントなどを企画する機会も増えてきたのですが、その中で痛感したのは、学生と社会人の、視野や知識のギャップです。例えば就活イベントで、学生は運営や企画を「こうすれば面白くなる」ということに重点を置きますが、企業の方は「人が集まらなければ意味がない。来れたら来てね、ではなく、得するから絶対来てね、という宣伝でなければ人員動員にはならない」と。その時には少し落ち込みましたが、今となっては、そういうことを知れたのはよかったと思います。
 静岡時代には静岡時代のやりたいこととスタンスがあり、それと社会人の方のやりたいことがうまく合えば一番いいのですが、そうでないこともあります。オファーをいただいたとき、静岡時代や学生にメリットがあるものかどうか一つひとつ選び、時にはお断りするのも学生代表である私の役目。どんな場面であっても、静岡時代の印象が悪くならないよう、心がけています。

静岡と学生のパイプ役に

 今、本誌とは別に住宅情報誌や就活本も企画中です。静岡時代は、新入生向けに4月号から見てもらって、6月、10月、12月と発行していますが、住宅情報誌は入学前の受験生を対象にしています。
 静岡の街中情報や、学生の部屋の間取り図、学生の収入…アルバイトの内容や頻度、親からの仕送り額なども。これくらいお金が必要だというのが分かると、高校生はもちろん親の目安にもなりますから。就活本も静岡時代ならではの視点で、例えば「働くってどういうことだろう」というような切り口から見つめるものになればいいなと考えています。
 静岡の大学に入ってくる段階から、静岡時代を活用してもらえれば、学生もすんなり馴染めますし、4月号以降の本誌、そして就活時期に就活本というサイクルで、静岡での大学生活を静岡時代がサポートできる。そういうふうに、うまく循環していけばいいなというのが狙いです。
 静岡時代って、学生と静岡をつなぐ役割を持っていると思うんです。取材を通して、町の人にもじわじわと静岡時代の存在を知ってもらうようになってきて、特にそう感じます。
 でも、静岡は進学で東京など県外に出て行ってしまう人が多いですよね。残っている学生も、新しく静岡に来た学生も、静岡にずっといたい理由が「あったかいから」「人がみんな優しいから」と、すごく曖昧だったりする。私は、静岡の魅力ってそれだけではないと思うんです。これは私もまだまだ探しているところですが、静岡時代の中で、静岡のいいところをもっと見つけて、誌面で紹介できたらいいな、と。東京に行く人の気持ちも分かるけれど、そういう人も地元とつながれる、静岡の町の人と学生をつなぐ。そんな媒体になれるのが一番の目標です。

取材日:2011.1



静岡県袋井市生まれ 袋井市在住


【 略 歴 】

2006 「学生時代」活動開始
静岡県ビジネスプランコンテスト「学生部門銀賞」「静岡新聞社IT賞」受賞
2007 衆議院選挙PR活動
2008 活動拠点を静岡市クリエーター支援センターへ
2009 静岡県知事選PR活動
静岡時代主催就職活動応援イベント「大交流会」開催
2010 衆議院選挙PR活動
第2回就職イベント「大交流会」開催

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