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本サイトは、平成22年・23年の作成当時の内容です。

大道芸ワールドカップは人生そのもの。
イベントで伝えたい「All for you」の精神。

東史子(あずま・あやこ)

東史子(あずま・あやこ)



「大道芸ワールドカップin静岡」ボランティアスタッフ
ポイント運営室 ポイントリーダー


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mixi “あずあや”

魅了された高校時代

「大道芸ワールドカップin静岡」との出合いは高校生の頃。買い物に出かけた静岡で初めてクラウン(ピエロ)たちのパフォーマンスを見て、すっかり魅了されてしまって。最初は観客として、18歳からボランティアとして関わるようになりました。

 大道芸ワールドカップには毎回800人ものボランティアスタッフが動いていて、私はポイントリーダーというものをやっています。アーティストが演技する場所=ポイントで、お客様へアーティストの紹介や大会情報をアナウンスしたりするほか、通路確保や危険個所へのスタッフの配置などの会場運営が仕事です。

 ポイントリーダーで一番大切なのは「臨機応変に対応できること」。同じ場所で一日に3組が3回ずつパフォーマンスをするというスケジュールになっていますが、アーティストとの打合せもポイントリーダーの役目です。アーティストも、こじんまりパフォーマンスする人から広く場所を使う人、火を使う人、一人でやる人から10人ぐらいでやる人など、さまざま。雨でもパフォーマンスするのか、準備に何分かかるのか、本番は一人20分と決まっていること、など打ち合わせの10分間にすべて確認します。司会のために原稿を作って読むことはしません。当日急に変更になることもありますから、基本情報を頭に叩き込んで、その場で判断します。お客様にもアーティストにもみんなに楽しんでいただくためのいわば「現場責任者」です。

大道芸を知って自分が変わった

 大道芸を好きな人って本当にみんな大道芸が好きで、仲間意識が強いんです。広島や東京から、このイベントのために越してきた人もいるくらい。アーティストやスタッフ同士、お客様との出会いは本当に楽しいし、そこからまたご縁がつながっていくのも楽しいです。

 時には一日中立ちっぱなし、トイレ休憩さえ取れないほど忙しいですが、それでも16年も続けて来たのは、私自身、大道芸を知ってから前向きになれたからでしょう。

 中高生の頃の私は福祉やボランティアに興味がありませんでした。でも大道芸のボランティアを通じて、このイベント自体がいろんな取り組みをしていることを知りました。「ノーマライゼーション」もその一つ。どうしたらバリアフリーになって、たくさんの方に楽しんでいただけるかを考えたり、救急救命の講習会も、スタッフになってから行き始めました。ポイントリーダーは毎年夏ぐらいから本番まで何度か講習を受けるんですが、視力の弱い方に来ていただき、祭りの会場で何に困ったか、エスコートはどうしたらいいのか、といったことを、どのスタッフ種であっても学ぶ機会を設けることもあります。

 すべて、ポイントリーダーを経験する中で興味を持ったこと。そういう意味で大道芸は私の、人としての在り方が全部つまっていると感じるんです。

あなたが大道芸ワールドカップin静岡

「あなたが大道芸ワールドカップin静岡です」。これは昨年、ポイントリーダーの講習で先生がおっしゃった言葉です。「たくさんのポイントの中で、初めてのお客様があなたのポイントに来たとき、あなたが作ったポイントが、その人にとって大道芸イベントのイメージになる。そこでけが人が出たりつまらない思いをしたら、翌年からは来てくれません」、そういう意味です。

 そんなボランティアを支えるのは、大道芸のボランティア憲章にある「All for you ,It’s my pleasure=あなたのためにできること、それが私の喜びです。」、本当にその通りだと思います。一日中ご飯も食べられなくて、立ちっぱなしだった、でもあのお客様はいい笑顔だったなあ、というように。そういうのって、すごく幸せじゃないですか。

 そのためにノーマライゼーションをはじめとする、さまざまな取り組みがあるのです。段差をなくした町づくりだったり、みんなが気持ちよくパフォーマンスを見えるように譲り合ったり、ゴミを分別したり…そういう気持ちを持つことの大切さを、このイベントに来て下さる人に伝えたい。直接言葉では難しいですが、何かの形で発信することで家に持ち帰っていただいて、その先で広めてくれれば、みんな笑顔になれると思うんです。

 確かに大変です。でもその中に感動と喜びを見出してほしいし、私が大道芸で感じている感動を、みなさんにも感じてほしい。だから、少しでも興味を持たれた方がいらっしゃったら、ぜひスタッフを体験してみてください。本当に様々な職種があり、講習日程、内容、参加期間も職種によってさまざまですので、きっとぴったりのものがあると思います。その中で、たくさんの人に仲間と一緒にやり遂げたり、お客さまから感謝されたりする喜びを知っていただきたい。

 そんな経験をすると、人間って変われるんです。私も、さまざまな人たちと接する中で、本当に変われたと感じます。だから私にとって「大道芸ワールドカップin静岡」は、私の人生そのものなんです。

取材日:2011.2



静岡県藤枝市生まれ 藤枝市在住


【 略 歴 】

1993 高校2年生のとき、偶然このイベントに出合う。2年間観客として通う
1995 MCとしてボランティアスタッフへ参加
※MC(司会)からPL(ポイントリーダー・ポイント運営責任者)へ
募集要項が変更となる(2005)

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