優勝を目指し今シーズンは体制一新
今はWリーグのシーズン中で、「ファイナルの舞台に帰ろう」というチーム目標に向かってリーグ戦を戦っています。所属する実業団チームのシャンソン化粧品では、昨シーズンはリーグ6位という不本意な成績で終わったため、今年に入り指導体制が一新されました。昨シーズン終了時に引退した相澤選手がヘッドコーチに、渡辺由夏選手がプレイングコーチに就任し、新たにスタートしたんです。「とにかく今はチームを立て直すこと」と、基本的なことからひとつずつ丁寧に確認しながら練習を行っています。リーグ後半に入ったこれからがとくに重要になってくるので、一戦一戦を大事にしてやっています。思うように結果が出ないこともあるけれど、チームの誰もあきらめることはないし、あくまで優勝を目指して努力しているので、ファンの方々にも応援していただけたらと思っています。
私個人としては、今シーズン初めて日本代表に選出していただき、世界選手権とアジア大会に参加することができました。間近で一流選手や強豪チームのプレーを見たことはプラスになったと思いますが、自分の足りない部分も自覚しましたね。今は、チームのために私がやらなければいけないことを積み重ねてレベルアップを目指しているところ。私は、練習が辛いと思うことはあっても、バスケットを辞めたいと思ったことはないんです。好きなことを仕事にできてありがたいなと感じながら練習をしています。
小学生のときからバスケットの一本道
バスケットボールを始めたのは、小2か小3のころ。姉がバレーボールをやっていたので自分もやろうかなと思っていたのですが、当時仲のよかった友達に誘われたから、という理由でミニバスを選んだんです。だから、最初はバスケットがどんなスポーツなのかも分からなかったんですよね。背は当時から高かったです。兄や姉はそれほどでもなかったので、自分だけ伸びちゃった感じですね。遊び感覚で楽しんでいたのが、だんだん上を目指そうという雰囲気になっていって、小4くらいからは真剣にやるようになりました。中学に進学するときにも、もっと上を目指したいと思って他県の中学校に進んだんです。
中学時代はジュニアオールスターや全中といった大会で結果を残すことができたんですが、当時は、将来バスケットボール選手になるなんて思っていませんでした。実業団はその頃、シャンソンとJOMOの2強時代と言われていて試合もよく見ていたんです。すごいなあ、と思っていましたが、自分がそこにいくとは考えていませんでした。元々のんびりとした性格なんです。ただ、一生懸命に練習していたという感じですね。
高校では、中学時代はライバルだった人たちが仲間となったのですが、みんな仲がよくていつも笑っていましたね。ただ、周りからは常に優勝候補だと言われていたのに、ずっとできなかったんです。それで、高3の最後の大会は何としても優勝したい、と思ったんですよね。誰かが言い出したわけではないけれど、練習後に選手だけで残って練習をするようになって。ライバルチームのビデオを見て弱点を見つけたり、対策を立てたりもしましたね。イメージだけで成功した気分になっていたりして、みんなで楽しんでやっていました。それで、最後のウインターカップで優勝することができたんです。後になって、あのときの練習があったから勝てたよね、という話をしたことを覚えています。いい思い出ですね。
チームのためにできることをコツコツと
シャンソン化粧品に声を掛けていただいたときは、ぜひこのチームでやりたいと思いました。伝統のある憧れのチームでしたし、レベルの高い実業団でプレーしたかった。周りには大学に進学する子も多かったんです。だけど私にはバスケットしかなかったんですよね。ずっとバスケットを中心とした生活を送っていたので、家族も私が決めたならそれでいいと言ってくれて、静岡に来たんです。
入社当時は、高校と違う実業団ならではの雰囲気や選手のレベルの高さ、当たりの強さなどに圧倒されました。ですが、5年たった今は、自分がチームの中心にならなければいけないと思っています。個人の成長がチームの成長に繋がり、それが勝利にも繋がっていくと考えているんです。そのためには技術的にも精神的にも、もっともっと成長しなくてはならないですね。今は思うように得点を上げられていないので、まずはシュートを打つ前の準備をしっかりとして確率を上げること。それから、ジャンプシュートやドライブといったオフェンス面はもちろん、リバウンドなどディフェンスでもチームの役に立ちたいです。また、練習中も、自分の役割を意識しないといけないと思っています。自分が教えてもらったことを後輩に伝えていくこと。厳しさが足りない部分や甘くなってしまう部分があれば、言われる前に自分たちで修正すること。練習中にやらないと、試合で同じ場面に出くわしたときに対応できないので。今はまだ練習したことを試合で出せるほどの技術が身についていないと感じることが多いので、早く身につけ自分のものにするために、先輩から教えてもらった細かなことをひたすら練習する毎日です。
シャンソンは、とても仲のよいチーム。たぶん、他のどのチームよりも。チームメイトには、同級生で中学時代からライバルだった選手や尊敬できる先輩もいて、刺激も受けています。バスケットはチームでプレーしますから、助け合いやフォローも大事。今私がやるべきことは、その中での自分の役割の大きさを自覚し、チームの勢いをもっと出していくことだと思います。そして、このチームで早く優勝したい。それが一番ですね。
取材日:2011.1