昔ながらの「入りにくい」を変えたい
創業40年の写真店に嫁いできたのが12年前。当時はいわゆる「昔ながらの写真屋さん」で、建物の前部分3分の2ぐらいが店舗、奥にキッチンなどの生活スペースがありました。
その頃から、デジタルカメラの普及などで、写真店のあり方が変わってきていました。以前はフィルムの現像を頼みに来るのが写真屋さん、という感じでしたが、デジタル化でそれがだんだん減ってきていた。だから、これからもお客様に店に足を運んでいただくにはどうしたらいいだろうか、というのを一から考えたんです。
「写真屋さん」って今までは、フィルムを現像してもらいに出入りするところで、ちょっとこわもてのおじさんがカウンターにいて…という印象でしたよね。皆さんそういうイメージを持っていらっしゃって、気軽に入りにくいという声もあったんです。
だから、写真の現像やカメラの専門的な話だけじゃなく、他のところから興味を持って入ってくださった人が「ここは写真屋さんだったのか」というようにならないかな、今まではこの店を知っている近所の方だけが訪ねてくださっていたのが、たまたま前を通る人が、ここは何だろうと思ってふらっと入ってくださるような…そういうお店になればいいな、というのが、夫や私の思いでした。
その頃から、デジタルカメラの普及などで、写真店のあり方が変わってきていました。以前はフィルムの現像を頼みに来るのが写真屋さん、という感じでしたが、デジタル化でそれがだんだん減ってきていた。だから、これからもお客様に店に足を運んでいただくにはどうしたらいいだろうか、というのを一から考えたんです。
「写真屋さん」って今までは、フィルムを現像してもらいに出入りするところで、ちょっとこわもてのおじさんがカウンターにいて…という印象でしたよね。皆さんそういうイメージを持っていらっしゃって、気軽に入りにくいという声もあったんです。
だから、写真の現像やカメラの専門的な話だけじゃなく、他のところから興味を持って入ってくださった人が「ここは写真屋さんだったのか」というようにならないかな、今まではこの店を知っている近所の方だけが訪ねてくださっていたのが、たまたま前を通る人が、ここは何だろうと思ってふらっと入ってくださるような…そういうお店になればいいな、というのが、夫や私の思いでした。
フィルム写真にこだわる理由。
例えば、よく雑貨屋に置いてあるような、かわいいアルバムやフレーム。ああいうものがなぜ写真屋さんにはないんだろう、という素朴な疑問もその一つでした。お客様からも、もう少しデザイン性のあるものがないのか聞かれることがあって、そういうのを置いたほうが皆様にも喜ばれるんじゃないかな、と。ちょうど「カメラ日和」に代表されるような、若い方や女性ももっと気軽に写真を楽しむスタンスの雑誌も増えてきていたこともあって、従来の「写真屋さん」から大きく店の雰囲気を変えてから、新しいお客様も来てくださるようになりました。
一つ、今もこだわっているのは、フィルムで撮るということでしょうか。自分たちがフィルムで撮る写真が好きだということ、そしてデジタルとは違い、その場で確認できない分、想像しながら撮る感覚に魅力を感じるので、同じように感じる方たちと一緒に何かやっていきたい、そういう人たちが増えてくれるといいな、という気持ちはあります。
昔は現像して形に残すのが普通だったので、それが手元に必ず残るものだったけれど、デジタル時代になって、プリントする人が減ってしまっていますよね。プリントして形にすると、何年経ってもアルバムに残っていたり、偶然、本の間に挟まっていたものを見つけたときは、やっぱりうれしいんじゃないかと思うんです。それにデータだと、そのもの自体が古くなっていかない。紙にするとどうしても劣化して、色も退色するものだけど、もちろんデジタルは「いつまでもきれい」という理由で使っていることが多いのだけれど、劣化するのも時代を経てきた証みたいなもの。そういう変化も含めて、時の流れを感じられるといいな、と。
そういうのって、今はわからないけれど、何十年経って初めて分かることなので、そのときに撮っとけばよかった、と思ってもそのときには戻れない。だから今こそ形で残してほしいし、若い方たちにそういう楽しさを知っていただけるよう、努力していこうと思います。
一つ、今もこだわっているのは、フィルムで撮るということでしょうか。自分たちがフィルムで撮る写真が好きだということ、そしてデジタルとは違い、その場で確認できない分、想像しながら撮る感覚に魅力を感じるので、同じように感じる方たちと一緒に何かやっていきたい、そういう人たちが増えてくれるといいな、という気持ちはあります。
昔は現像して形に残すのが普通だったので、それが手元に必ず残るものだったけれど、デジタル時代になって、プリントする人が減ってしまっていますよね。プリントして形にすると、何年経ってもアルバムに残っていたり、偶然、本の間に挟まっていたものを見つけたときは、やっぱりうれしいんじゃないかと思うんです。それにデータだと、そのもの自体が古くなっていかない。紙にするとどうしても劣化して、色も退色するものだけど、もちろんデジタルは「いつまでもきれい」という理由で使っていることが多いのだけれど、劣化するのも時代を経てきた証みたいなもの。そういう変化も含めて、時の流れを感じられるといいな、と。
そういうのって、今はわからないけれど、何十年経って初めて分かることなので、そのときに撮っとけばよかった、と思ってもそのときには戻れない。だから今こそ形で残してほしいし、若い方たちにそういう楽しさを知っていただけるよう、努力していこうと思います。
写真を軸に、人と人とをつなげるしかけ。
今、ワークショップや撮影会を開催していますが、お客様に話を聞いたり、提案をいただいて決めていくことが多いですね。興味を持っていること、行ってみたい場所、使ってみたいカメラなど、話題になったことからどんどんアイデアが広がるんです。月に一度の撮影会は、先生が参加者に撮影方法を指導するのではなく、カメラ好きな人が集まって、みんなで楽しく出かけましょう、というスタイルです。
そんな風に集まってきてくださる方たちとの出会いから、さらにつながりが広がっていると感じます。昨年11月にはギャラリーとレンタル暗室「とりこ」もオープンしましたが、これも節目節目に人とのつながりがあって始められたこと。私たちとお客様、だけでなく、例えばお客様同士で、デジタル世代の若い方と、フィルム世代のベテランの方が、写真のことについて話ができたりと、いろんな方向につながりが広がっています。これからもそういう「出会い、つながり」を一つひとつ大事にしていきたいですね。
でも、つながりが広がっても基盤はこの町。夫もこの商店街で生まれ育ち、このあたりの方々に支えられてきたので、どんな形になってもやっぱりずっと「この町の写真屋」であり続けたいなと思います。
そんな風に集まってきてくださる方たちとの出会いから、さらにつながりが広がっていると感じます。昨年11月にはギャラリーとレンタル暗室「とりこ」もオープンしましたが、これも節目節目に人とのつながりがあって始められたこと。私たちとお客様、だけでなく、例えばお客様同士で、デジタル世代の若い方と、フィルム世代のベテランの方が、写真のことについて話ができたりと、いろんな方向につながりが広がっています。これからもそういう「出会い、つながり」を一つひとつ大事にしていきたいですね。
でも、つながりが広がっても基盤はこの町。夫もこの商店街で生まれ育ち、このあたりの方々に支えられてきたので、どんな形になってもやっぱりずっと「この町の写真屋」であり続けたいなと思います。
取材日:2010.12